トロンボーンはスライドによって音を変える楽器です。そのシンプルな構造ゆえにパワフルな演奏が可能となっており、最大音量はオーケストラ楽器の中でNo.1と言われています。
また音程の微調整も容易なため、美しいハーモニーを担当するのも得意としています。しかし実際にトロンボーンが得意としている音域については知らない人が多いのではないでしょうか。
本記事ではトロンボーンの音域について楽譜を使って解説します。
高校から吹奏楽を始める。現在は、音楽専門ライターとして活動しながら音楽系メディアの運営にあたる。趣味はチェロ、チューバ。東海大会出場経験あり。
トロンボーンの音域
トロンボーンには大きく分けると下記5つの楽器が存在します。そして下記の画像はトロンボーンが美しく吹ける音域を一覧にしたものです。
引用:ヤマハ
上記の画像では音の上限が設けられていますが、理論的に音の上限はありません。奏者の技術次第で、どれだけ高い音でも吹くことができます。
ただしトロンボーンのハイトーンは音が細く豊かさがないため、楽曲の中でハイトーンが求められる場面はあまりないでしょう。ハイトーンに過度に固執しないようにしましょう。
一般的な吹奏楽部で吹かれているトロンボーンはテナートロンボーンとテナーバストロンボーンです。
アルト・ソプラノはめったに見ないわね
一般的なトロンボーンの音域を楽譜で解説
トロンボーンの音域は上の画像で説明した通りですが、あくまで「美しく吹ける音域」です。実際出せる音域は異なります。
また楽譜で見たほうが理解しやすいでしょう。ここでは一般的に使われている以下のトロンボーンの音域を楽譜で解説します。
- バストロンボーンの音域
- テナーバストロンボーンの音域
- テナートロンボーンの音域
バストロンボーンの音域
バストロンボーンの音域は以下の通りです。
音域は「低音域」「中音域」「高音域」の3つに分けて考えると分かりやすいです。バストロンボーンの場合、低音域は最低音がぼんやりする印象ですが、それ以上の音は得意としている音域です。また中音域もトロンボーンの得意としている音域ですので、良い音色がでます。
高音域に関してはバストロンボーンではまず使わないでしょう。発音も困難ですので、音域の高いトロンボーンを使ったほうがきれいな音がでます。
低音域から中音域が得意なトロンボーンなんですね
テナーバストロンボーンの音域
テナーバストロンボーンの音域は以下の通りです。
テナーバストロンボーンの音域はバストロンボーンと同じです。ただし得意としている音域が異なります。テナーバストロンボーンは中音域から高音域にかけての音の鳴りが良いため、一般的な楽曲ではテナーバストロンボーンが使われています。
一方バストロンボーンの方が低音域を得意としているので、低音域を多く使っている楽曲ではバストロンボーンを使用したほうがよいでしょう。
テナートロンボーンの音域
テナートロンボーンの音域は以下の通りです。
テナートロンボーンは中音域から高音域までが得意なトロンボーンですので、中音域の音は鳴りがよく、演奏の自由度が高まります。しかしその一方で低音域は芯がなく弱々しい印象があります。
低音域については得意ではありませんので、テナーバストロンボーンやバストロンボーンを使った方が楽曲のクオリティが上がるでしょう。
低音域がテナーバストロンボーンよりも高くなっているわ
トロンボーンの音域まとめ
トロンボーンは主にヘ音記号の音を担当する楽器ですが、意外と幅広い音域をカバーしています。また楽器を使い分けることによって音域を変化させることができます。トロンボーンごとの音域を理解して、演奏の幅を広げていきましょう。