12種類のフルートを一覧で解説!初心者におすすめのメーカーとは?

フルートは息を使って音を出す木管楽器の1つです。フルートはクラリネットやサックスなどのリードを使用する木管楽器とは異なり、リードが存在せず、開口部を吹くと、空気の流れが振動して音が出るという仕組みになっています。そして両手の指で持ち、穴を押さえて音程を変えるシンプルな作りになっています。

作り自体はシンプルなフルートですが、数多くの種類があります。本記事ではフルートの種類や初心者が買っても間違いのないメーカーについて解説します。

9種類のフルート

吹奏楽で使われるフルートは「ピッコロ」「コンサートフルート」「アルトフルート」の3つくらいですが、実際にはもっと多くのフルートが存在します。ここでは調性が高い順からフルートの種類を解説します。

ピッコロ

フルートのちょうど1オクターブ上に位置するピッコロは移調楽器です。実音より1オクターブ低い音で楽譜が作成されます。シャープで独特の突き抜けるような高音色が特徴で、吹奏楽やオーケストラなど広く使われているフルートです。

ソロが印象的な楽器ね!

E♭フルート(E♭ソプラノフルート)

ソプラノフルートは材質や演奏方法、音色など、コンサートフルートに非常によく似ていているフルートです。E♭(コンサートフルートの短3度上)で調律されているのが特徴で、マーチングバンドでE♭クラリネットの代わりとして使用されていました。

音域がコンサートフルートとピッコロの間なので、その音色はフルートよりも甘く、ピッコロよりもまろやかです。しかし現在では使用される楽曲が少なく、アンサンブルやコンサートで見つけるのは難しいでしょう。

コンサートフルート

コンサートフルートは現代のオーケストラや吹奏楽でよく耳にするもので、最も一般的なタイプのフルートです。昔は木で作られるのが主流でしたが、現代では主に金属で作られています。

コンサートフルートの大きさは長さ約67cm、内径約1.9cmです。リッププレートから息を吹きかけ、管内の空気を振動させることで音を出します。

吹奏楽部でよく見かけるフルートですね

フルートダモーレ

フルート・ダモーレは、標準的なコンサート・フルートよりも口径が大きく、BbまたはAで音程をとっているフルートです。高低の幅広い音域に対応できる楽器ですが、実際にはコンサートフルートとアルトフルートを持ち替えて演奏されるため、あまり見かける機会はありません。

アルトフルート

G(コンサートフルートの4つ下)で調律されているアルトフルートは、1854年にテオバルト・ベームが新しい楽器として製作したものです。その仕組みはコンサートフルートとすこし異なり、音色もベーム自身がフレンチホルンに例えたほどです。

また移調楽器であり、その楽譜は実音よりも4つ上に書かれています。アルトフルートの音色は、大きさゆえにまろやかなのが特徴的です。

バスフルート

バスフルートはコンサートフルートより1オクターブ低いフルートです。またアルトフルートのように頭部管がU字型になっており、楽な姿勢で演奏できるように工夫されています。

フルートのアンサンブルで使われることはあっても、通常のコンサートで演奏されるのを見かけることは少ないでしょう。

コントラバスフルート

コントラバスフルートはコンサートフルートの2オクターブ低いフルートです。全体の長さは2.7mにも上り、コンサートフルートの約4倍の長さがあります。

大きすぎてフルートには見えないわ

サブコントラバスフルート

サブコントラバスフルートはアルトフルートの2オクターブ低いフルートです。コントラバスフルートよりも一回り大きく長さは4.5mを超えます。

ダブルコントラバスフルート

ダブルコントラバスフルートはコントラバスフルートの1オクターブ下、コンサートフルートの3オクターブ下の音が出るフルートです。大きさは5mを超え、フルートの中で最も低音が出るのが特徴です。

2021年時点で世界に2本しか存在せず、かなりレアな楽器のため狙って演奏会に行かない限り見かけることはないでしょう。

一本はドイツのベルリンに、もう一本は日本にあるので、見かけるチャンスはありそうです

すこし特殊なフルート

ここまでフルートの中でもコンサートフルートに近いものを紹介しましたが、ここでは通常のフルートとはすこし異なったフルートを紹介します。

フルートは非常に形が似たような楽器が世界中に数多く存在しますので、ここでは現代のフルートに近い3種類だけを紹介します。

アイリッシュフルート

アイリッシュフルートは18世紀にアイルランドで導入されて以来人気のあるフルートです。伝統的な笛の一つとして、アイルランドやスコットランドの伝統音楽で広く使われています。

プラスチックフルート

プラスチックフルートはフルートの中で最も安価で、入手しやすい楽器です。プラスチックでできているため耐久性があり、壊れにくいためお子様に最適です。

コンサートフルートのような豊かな音色はありませんが、フルート自体が他の楽器よりも音を出すのが簡単なので、管楽器を始めたい方には最適といえるでしょう。

20,000円程度で買うことができるわ

フラウト・トラヴェルソ(バロックフルート)

フラウト・トラヴェルソは現代のコンサートフルートの元となったフルートです。横向きに構えて演奏するのはコンサートフルートと同じですが、構造や指使いは全く異なります。また金属ではなく、木材で作られていることが多く音量が小さいです。

フラウト・トラヴェルソの中でもバロック期に作られたものを「バロックフルート」、古典派の時代に作られたものを「クラシカルフルート」、ロマン派の時代に作られたものを「ロマンチックフルート」と呼んで区別されています。

フルートの主要メーカー

フルートは多くの楽器メーカーが手がけている楽器ですが、初心者だとどこのメーカーで買えば良いか分からないことがあるでしょう。ここではフルートを製造している主要メーカーを紹介します。

ここで紹介しているメーカーのフルートの品質はある程度保証できますが、実際に購入する場合はレッスンを受けている先生などに相談して購入を検討しましょう。

ヤマハ(YAMAHA)

ヤマハはピアノやフルートなどのさまざまな楽器の最大手メーカーです。フルート製造における長年の経験により、価格に見合った価値のあるフルートを製造することで高い評価を得ています。

ヤマハのフルートは高品質な金属から作られており、豊かな音色を奏でることができます。初心者から中級者、そしてプロまで、どのような予算にも対応できる優れたメーカーです。

ムラマツフルート

ムラマツフルートは、日本で最も古いフルートメーカーのひとつです。1923年の創業以来、卓越したフルート作りの伝統を受け継ぎ、ひとつひとつのフルートを丁寧かつ繊細に作り続けています。

ムラマツは世界的に最も優れたプロ用フルートのメーカーとして信頼されており、優れたフルート奏者たちが、他のブランドよりもムラマツを好むようになってきています。

ヘインズ

ヘインズは1888年にボストンで銀細工師によって設立された世界有数のコンサートフルートメーカーで、著名なフルート奏者から根強い人気を集めています。

ヘインズのフルートは色彩豊かで均整のとれた音色で、多くのフルート奏者に愛されていることで有名です。

フルートの種類まとめ

フルートは調性別で9種類あり、通常の演奏会で使用されるのはその内のごく一部に限られます。バスフルートやコントラバスフルートなどのレアなフルートが気になる人は、フルートのアンサンブルに足を運んでみましょう。普段は聞くことのできない音を聞くことができる貴重な体験ができるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました