サックスという言葉を聞くと「アルトサックス」や「テナーサックス」を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし実際には9種類ものサックスが存在します。
本記事ではサックスの種類やその見分け方、音の特徴について解説します。
高校から吹奏楽を始める。現在は、音楽専門ライターとして活動しながら音楽系メディアの運営にあたる。趣味はチェロ、チューバ。東海大会出場経験あり。
サックスは全部で9種類
現代にあるサックスを音の高い順で紹介すると以下のようになります。
- ソプラニッシモサックス
- ソプラニーノサックス
- ソプラノサックス
- アルトサックス
- テナーサックス
- バリトンサックス
- バスサックス
- コントラバスサックス
- サブコントラバスサックス
サックスは発明当時14種類ありました。しかし時代の流れとともに必要なものだけが残って現在では9種類となっています。また主に吹奏楽やジャズなどの一般的に使われているサックスは以下の4種類です。
サックスは発明当時14種類もあったんですね
吹奏楽とかのバンドで使われているのは4種類だけよ
- ソプラノサックス
- アルトサックス
- テナーサックス
- バリトンサックス
サックスはそれぞれの音域によって種類が分けられており、それによって曲で担当するパートも異なります。
4種類のサックスの特徴
一口に「サックス」といっても、音域や役割が全く異なります。ここでは一般的に使われている各サックスの特徴について解説します。
ソプラノサックス
ソプラノサックスには以下のような特徴があります。
- 高音域
- 甘く澄んだ音色
- スムースな音域の変化
- 直線的でスタイリッシュな見た目
ソプラノサックスは一般的に使われているサックスの中で最も高音がでる楽器です。クリアで遠くまで聞こえるような音色が特徴的で、ソロパートに多く使われています。形状も他のサックスとは異なり、クラリネットのような直線的な形状をしています。
アルトサックス
アルトサックスには以下のような特徴があります。
- 柔らかい音色
- 中高音域
- 存在感のある中音域
- 人気のある楽器の一つ
一般的に「サックス」と言われるとこのサックスを連想する人が多く、ソロパートから旋律まで幅広く対応できるサックスです。
テナーサックス
テナーサックスには以下のような特徴があります。
- 中低音域
- 深く重厚な音色
- 吹奏楽での重要な役割を務める
テナーサックスはアルトサックスに似た形状をしていますが、一回り大きくより低音が出るサックスです。落ち着いた音色が特徴的ですので、初心者に人気があります。
バリトンサックス
バリトンサックスには以下のような特徴があります。
- 低音域
- 力強い音色
- 圧倒的な存在感
- ベースラインを支える役割
バリトンサックスはサックスの中で最も低い音がでるサックスです。他のサックスよりも圧倒的に大きく、音も大きいのでバンドの中で圧倒的な存在感があります。またバリトンサックスが加わることでベースラインの安定感が強固になります。
サックスの見分け方
サックスは以下の違いによって見分けることができます。
- サイズ: 各サックスのサイズは異なる。ソプラノサックスが最も小さい。
- 音域::各サックスの音域は異なる。ソプラノサックスが最も高い。
- 形状: 各サックスの形が異なる。
上の特徴の中でも「形状」が特に分かりやすいでしょう。下記の画像はソプラノサックスです。クラリネットのような形状をしており、直線的な形が特徴的です。
下記の画像がアルトサックスです。
ピンク色の四角部分に囲まれた部分を「ネック」と言いますが、このネックにゆるいカーブがかかっていることが特徴です。
そして下記の画像がテナーサックスです。アルトサックスと形状が非常に似ていますが、ネック部分がS字になっていることが特徴です。また大きさもアルトサックスより一回り大きいので実物をアルトサックスと見比べると一目瞭然となります。
ネックを見ればアルトかテナーか見分けがつくわ
そして下の画像がバリトンサックスです。バリトンサックスは成人男性の上半身の大部分を占めるほど大きい楽器ですので、その見た目からすぐに見分けられるでしょう。
サックスの中で最も大きいのがバリトンサックスですね
初心者向けのサックスは「アルトサックス」
4種類もあるサックスの中からどれを最初に吹いたら分からないという人は多いでしょう。どのサックスか悩んでいる人はアルトサックスから始めることをおすすめします。理由は以下の通りです。
- 中高音域であり、初心者にとって扱いやすい音域
- 人気のある楽器であり、楽譜や教則本が充実している
- 多くのミュージシャンがアルトサックスを演奏するため、初心者にとって入手しやすい。
- サックスの中でも一番歴史が長く、最も完成された楽器
- 値段もリーズナブル
マイナーなサックスの特徴と見分け方
コンサートなどの演奏会にいくと「あのサックスは見たことがないけど、なんだろう?」疑問を感じる人もいるでしょう。ここではそんなマイナーなサックスの特徴と見分け方について解説します。
ソプラニッシモサックス
ソプラニッシモサックスは別名「ピッコロサックス」とも呼ばれ、最も高音のでるサックスです。以下はソプラノサックスが演奏されている動画で、非常に小さいことが分かります。大きさは大体成人の手の平3つ分です。
ソプラニーノサックス
ソプラニーノサックスはソプラノサックスよりやや小さいサックスです。音域もソプラノサックスよりやや高く、音程のコントロールが難しいとされています。
ソプラニッシモサックスとの分かりやすい違いは大きさだけでしょう。ソプラニーノサックスが一回り大きく、手の平4~5つ分の大きさがあります。
またソプラノサックスとの違いはストラップの有無で判別できます。ソプラノサックスにはストラップが付いているのに対してソプラニーノサックスにストラップは付いていません。
バスサックス
バスサックスはバリトンサックスよりも一回り大きいサックスです。さかなクンが東京スカパラダイスオーケストラとアンサンブルしている動画が有名です。
コントラバスサックス
コントラバスサックスは非常に大きな楽器で、2メートル以上あると言われています。また希少性も高く日本に3本ほどしかないので、目にする機会はほとんどないでしょう。
サブコントラバスサックス
サブコントラバスサックスはサックスの中で最も低音の出るサックスです。世界に数本しか存在しないためYouTubeに上がっている動画で見る以外見る手段がほぼないでしょう。あからさまに大きく、成人男性二人ほどの大きさがあります。下の動画の「0:10」の当たりで吹いているのがサブコントラバスサックスです。
大きすぎる…
【初心者必見】サックスの始めるポイント
サックスは楽器であり「向き不向き」が存在します。また音楽に正解はないため間違った始め方をしてしまうと「全く上達しない」という事態も起こりうるでしょう。サックスを始めるときは以下のポイントに注意しましょう。
初めての楽器はレンタルする
サックスを始めたはいいものの「すぐに飽きてしまった」という人は多くいらっしゃいます。しかし楽器を買ってしまっていると手放すときも大変です。そのためまずはレンタルすることをおすすめします。
1日当たり300円程度から借りられますので、始める際はレンタルで試しましょう。
プロに教えてもらう
「Youtubeや教則本を見て独学する」というのも悪い方法ではありませんが、音楽経験がほとんどない人にはおすすめできません。なぜなら課題にぶつかってしまったときに挫折して、そのまま辞めてしまったという人は非常に多いからです。
サックスを始めるのであれば、音楽教室に通ってプロに教えてもらうのがいいでしょう。指導者に教えてもらうと上達のスピードが早く、より演奏を楽しめるでしょう。
サックスの種類まとめ
本記事の内容を分かりやすくまとめると以下のようになります。
- サックスは全部で9種類ある
- 一般的に使われているのは4種類
- アルトサックスとテナーサックスの違いは「ネック」
- サックスを始めるときは楽器レンタルがおすすめ
サックスは吹奏楽でも中心的な存在で、ジャズにも欠かせない楽器です。見た目から見分けることができればさらに音楽を楽しめられるでしょう。楽器の見た目にも注目して音楽を楽しみましょう。